ある人がソフト開発のために常時イスに座っていたため、腰が痛くなりました。その治療のために整体に保険を使い通いました。しかし、保険組合から幾度となく治療に関するアンケート調査が本人宛に送られてきて治療を抑制することになりました。こんな身近な事例から健康保険に関する様々な問題を提起します。
健康保険を使って治療すれば本人負担が減り、治療費が安くなるメリットがあります。しかし、少子化の影響で保険料納付者が減り、高齢化の影響で医療費が伸びを抑えるために、診療報酬がさがっています。ということで治療院としては採用抑制を図らざるを得ないわけです。
一方、健康保険組合に提出する書類の記載事項が複雑かつ詳細に年を追うごとになってきています。その書類を少ない従業員で書かなくてはなりません。例えば、写真の様に「負傷の原因・・・」などの記述欄が昔に比べ増えました。更に治療の度に書類を書かなくてはならないそうです。そして、その書類を健康保険組合に提出するのですが、その受理基準が組合ごとにまちまちとなっています。ということは、大変事務処理時間が長くなってしまうわけです。
ということで、患者さんに診療する傍らの仕事であるはずの書類の書き方が複雑且つ健康保険組合ごとに受理基準が異なるため事務処理時間が長くならざるを得ません。更に、健保組合から再審査があると、3~6ケ月も入金が遅れることとなるなど整体師経営にも少なからず影響があります。こういった患者と向き合う以外の仕事に忙殺され、結果的に柔道整体師が患者と向き合う時間が減り、患者にとっても好ましからざる現状となっています。
こういった問題がありますが、例えば健保ごとに異なる審査基準の統一化があれば、事務作業が大変軽減されます。更に、1回の通院・1ケ月の通院でも健保からのアンケート調査があるなど過度なアンケート実施も問題だと思います。