文教委員会での私の質問
最近では小学校で英語を習っているが、中学校1年生でもA・B・Cから習っているという現状があります。社会の授業では学区内にあるお寺や神社などの教材を授業で使う場合、小学校でも教材として扱い、同じ学区の中学校でも使う場合もあり、内容の重複に気をつける必要があります。そういう場合の小中学校間の教材や授業内容の重複について、どのように対処しているのか?
文教委員会での教育委員会の回答
児童生徒の学力の定着を図るために、小学校教育と中学校教育のつながりを重視して、学習した内容を意図的に繰り返し取り上げることは、児童生徒の理解を広げたり深めたりすることに有効な指導法の一つである。
小学校の外国語活動のねらいは、外国語の基本的な表現を聞いたり話したりして慣れ親しむことで、中学校の英語科のねらいは、聞くこと、話すことに加え、読むこと、書くことの基礎を培うことである。そこで、中学校1年生の初めには、まず、アルファベット、数や色などの使い慣れた英単語の読み方や書き方を学習し、小学校からのスムーズな接続を図っている。
社会科では、例えば、「工業」の学習で「身近な自動車産業」について、小学5年生では、「自動車生産の現状」や「自動車生産に従事する人々の工夫や努力」を学習し、中学校の地理的分野では、より広い視野に立って、産業の果たす役割や動向、世界との結びつき等について追究する学習を通して、社会の見方や考え方ができるようにしている。
こうした学習内容の系統性をより深く理解するには、小中学校の教員が互いに授業参観をしたり合同研修をしたりして、小中連携を図ることが大切である。県教育委員会では、本年度開催する教育課程研究集会において、小中学校の教員が互いの教育課程のより効果的な指導のあり方について協議する。
市町村において、積極的に授業研究や学習指導の小中連携に取り組んでいるところもあるが、今後も、児童生徒の発達段階を踏まえ、確かな学力の育成を目指した授業が促進されるよう、一層の連携をはたらきかけていきたい。