文教委員会での私の質問
- 全国体力テストの愛知県の小・中の順位と目的は
- 体力テストの結果を受けた愛知県としての方針について
文教委員会における教育委員会の回答
国の調査である「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」は、平成20年度から現在まで行われております。ただし、平成23年度の調査については東日本大震災の影響で中止となっております。対象については小学校第5学年と中学校第2学年であり、平成25年度は、該当する全ての生徒を調査する悉皆調査で行っております。この調査の実技に関する調査項目は、小学校、中学校ともに握力、上体起こし、50m走など、8種目です。併せて質問紙で、「1週間の総運動時間」、「睡眠時間」、「朝食摂取状況」など運動習慣等の調査を行っております。順位につきましては、平成25年度の本県における都道府県別体力合計点の順位は、小学校第5学年男子が44位、女子が43位、中学校第2学年男子が37位、女子が28位であります。この順位についてみてみますと、小学校に比べ中学校の順位が高くなっておりますのは、中学校では運動部の加入率が高く、体を動かす機会が増えることが要因であると考えられます。このことからも、本県児童生徒の体力向上には、日常的に運動する機会を増やし、運動習慣を身に付けさせることが重要であると考えております。
続いて目的でございます。子供の体力が低下している状況をかんがみ、全国的な子供の体力の状況を把握・分析することにより、子供の体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることであります。また、体力と運動習慣、生活習慣、食習慣等との関連を分析し、学校における体育・健康に関する指導の改善に役立てております。先ほど運動習慣を身に着けさせることが重要であるとお答えしましたが、本県における児童生徒の運動習慣については、児童生徒の割合が、小学校において、「1週間の総運動時間が60分未満」の、男子9.8%、女子22.7%、中学校では、男子10.3%、女子29.8%と高い割合を示しております。
本調査では「運動やスポーツの実施頻度」の高い児童生徒や、「運動することが好き」と答えた児童生徒の体力テストの得点が高いことから、児童生徒の体力を高めていくためには、体育の授業だけでなく、部活動や休憩時間の遊びの中などで体を動かす機会を増やし、地域や家庭においても自ら積極的に運動する習慣を身につけさていくことが重要であると考えております。そうしたなか本県では、平成22年度に低年齢の時期からいろいろな運動(遊び)を体験させ、体を動かすための基礎を培っていくことをねらいとした、小学校低中学年向け『子どもの体力向上運動プログラム』を作成し、普及に努めております。また、指導者講習会、先生方を集めて行う講習会でございますが、これを実施し運動プログラムのリーフレット及びDVDを、名古屋市を除く市町村教育委員会及び県内全公立小学校に配付しました。さらにプログラムの普及を図るため、協力校において体力向上運動プログラムの活用方法の研究を行い、体育授業における活用法を「事例集」としてまとめ、同様に配付しました。また、平成25年度からは小学校高学年を対象とした、(これまで低中学年を対象としておりましたが、こんどは高学年を対象とした)体力向上運動プログラムの活用方法を協力校4校の授業実践を通して、より活用しやすいものとしていく予定でございます。高学年運動プログラムも講習会を開催しまして、普及に努めてまいりたいと思います。
こうした取組を通じて、学校体育の充実を進め、運動することが楽しいと感じられる子供、自ら運動に親しむことができる子供が育てられるように研修会などで先生方に意識付けをしながら、体力の向上を図ってまいりたいと考えております。