国や自治体が蓄積した膨大な情報。 今、それを活用するサービスが次々と生まれ、ビッグビジネスとして注目されています。 背景にあるのは行政情報のデジタル化。
NHK クローズアップ現代 2014年9月17日放送から要約
公共データをビジネスに 米国は犯罪予測まで…
オープンデータをビジネスに取り込む動きが過熱しているアメリカ。アメリカ政府は5年前から行政データの公開を始め、今やその数は40万件。それを使って新たなビジネスを生んだり、社会的な課題解決につなげようとしています。
【課題と対策】
目覚ましい動きの1つが、犯罪捜査や防犯の取り組みです。
アメリカの警察はいつ、どこで、どんな犯罪が起きたのかという犯罪データを次々に公開しています。このデータをもとに、社員40人のITベンチャー企業では犯罪が将来どこで発生するのかを予測するサービスを開発しました。
1つの警察署で数百万件に達するという犯罪データ。
過去数年分のデータを、独自に開発した高度な解析法で計算します。すると、その地域で犯罪が再び起こる可能性のある場所とその種類が浮かび上がります。さらに日々起きている最新の犯罪データを入力。すると、150メートル四方の中でその日発生する可能性の高い犯罪をピンポイントで知らせることができるとしています。このサービスを始めるや否や、全米各地の警察がパトロール活動に導入。
イギリスや南米の警察も契約を交わしました。
犯罪予測システム会社 CEO ラリー・サミュエルズさん
「毎年、300%から400%の成長を遂げています。来年は積極的に海外事業を拡大するため、さらなる発展が期待できます。その成功のためにも、オープンデータは必要不可欠なものです。」
【結果】
「これから(赤いエリアに)入ります。」効率よくパトロールできるようになったため、この地域では強盗が年間20%以上減少し治安がよくなったといいます。
アルハンブラ市 警察署長 マーク・ヨコヤマさん
「われわれの基本的な使命は犯罪を未然に防ぐことです。犯罪予測を使うことで、特定の場所に目立つように警察官の配置ができます。犯罪の起こる可能性がより高い地域で、犯罪を犯す前に警察官の姿を見れば抑止力の効果があるのです。」